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栄養補給

KARTE:Ⅱ 碧棺左馬刻の場合 左馬刻×独歩

KARTE:Ⅱ 碧棺左馬刻の場合










「先生のチームのリーマンに惚れた」











ーーー左馬刻くん、ドア、閉めてもらっていいかな





ーーー今日はわざわざそれを言いに?





「おう。俺のリーマンが通ってるって聞いたもんだからよ。」





ーーー観音坂くんには通院してもらっているね





「別にいいけどよ。そういや、これ。」





ーーーなんだい?





「この前うちのもんを手当してくれた礼。」





ーーー・・・ありがとう





「やけに素直にうけとってくれるじゃねぇか」





ーーー3か月以上前のことの礼を今さらされたら断る気も失せるよ





ーーー今日は診察・・だったかな?





「いや、まあ、用事って用事じゃねんだがよ」





「そういえば先生、最近ちょっと太ったんだってな。あと、診療時間変えて平日に釣りにいってんだろ。相変わらずだな。」





「海外のコーヒーにハマって銘柄の話をすると止まらねえらしいな。」





「西日が眩しいからカーテンを新調するか引っ越すか迷ってんだってな。あぁ、いいマンション知ってんぜ俺。紹介しようか?」





ーーーよく、私のことを知っているね





「あぁ?そりゃそうだろ。あいつが先生の話ばっかりするんだ」





ーーー妬いてるのかい





「ふん、ちげぇよ。これでも先生と俺との付き合いだからな。そんな真似はしねえ。」





ーーーそうかい





「なんつーか・・・惚れてるやつの言葉が全部かわいいんだ。わかるか?先生」





ーーー興味深いよ





「まぁ柄じゃねえとは思うんだけどよ。」





ーーーいや、とても左馬刻くんらしいよ





ーーーきみはそうやっていつも私に話してくれたからね





「そうだったか?まぁ、先生のメンバーだしすぐに報告しようとは思ってたんだ」





ーーー気にする必要はないよ。





ーーー・・・観音坂くんはそうもいかなそうだがね





「ブハハ!だろうなぁ。」





ーーー左馬刻くん、さっき「俺のリーマン」って言ってたけど、付き合ったのかい?





「いや?男と女じゃあるめぇしそんなんねぇよ。」





「でもあいつは俺んだ。」





「一回言ったことがあるんだけどよ。俺のだって。」





ーーーほう





「せ、先生は誰のものでもありません!!!だってよ」





「おい先生、あいつはいつもああなのか?フッ・・愛おしくってしゃーねーよ!」





ーーー彼らしいね





「まぁ、なんだ。正直俺がいない方があいつは普通の人生を遅れたんだろうがな。」





ーーーそうだね





「言ってくれるねぇ先生。嫌いじゃねえよ。」





「でもなんつーか止まらねぇもんがあんだわ。」





ーーー私は止めるつもりはないよ





「へっ。そう言うと思った。」





「じゃなきゃ俺をタクシーがわりに呼びつけるなんてことはしねぇ。」





ーーーちょっと過保護すぎたかな





「先生の力なんか借りなくても俺はあいつを引きずり込むつもりだぜ」





ーーーあれは私の親心だよ





ーーーでもきっと君のことだからマメに連絡を取るなんてしていないだろう





ーーー心配しているだろうと思っただけさ





「自分のメンバーが大事なのかそうじゃないのか分かったもんじゃねえな。」





「おれぁ、ヤクザだぜ、先生」





ーーーそれ以前に私の友人だよ





「ふぅーーーーー。先生、大切にしてやれよ、あいつを」





ーーー心外だな。きみはもう少し自分の心配をしなさい。





「わぁったよ。じゃ、また来るわ!こんな時間に悪かったな。」





ーーー次は電話の一本でも欲しいものだね





「そんな営業マンみてぇなこと、やってられっかよ」





ーーーふふ、困らせちゃダメだよと言っているんだ
















『先生、さっきの患者・・というかガラの悪い男、何の用事だったんですか?他の患者さん待たせてしまいましたよ。』




ーーーすまないね、少し・・熱があったようなので急遽診察しました




『そうですか。仕方がないですね。』




ーーー私もきっと治せない、でしょう




『っはい?今なんと?』




ーーーさ、次の方を呼んでください。









KARTE:Ⅱ 碧棺左馬刻の場合     fin