VitaminH

栄養補給

告白 左馬刻×一郎

告白




「おい、俺の話聞いてたか?」



俺の問いかけにも反応する様子もなくただただ俯く。



おい、返事が聞きてえんだ。お前の、声が聞きたいんだ。






元はといえば俺が悪い



友達、親友、仲間、セフレ



俺たちの関係を形容するならこんな言葉で充分だ



いや、充分じゃなくなったから今こうして俺の目の前で困っている一郎がいる






「一郎、もう一度言うぞ、俺はお前のことが好きだ。だから・・



『ッやめてくださいよ左馬刻さん!冗談キツイっすって!」



「おい、冗談なんかじゃねぇ」



「いやいやいや!もうその手には乗らねーっすよ。今までどれだけ騙されてきたことか。」




頭に全身の血が上りそうだと思った。こう思えているあたり俺はまだ冷静でいれている。




「一郎、もう一度しかいわねえ。俺はお前が好きだ。俺と付き合え。」



『勘弁してください。もうそんな関係じゃないじゃないですか』











ブチ切れた音がした。










気づいたときには俺は目の前の“俺に反発するモノ”に対して



ありったけの力を使って抱きしめていた。



ああ、人間って全力で何かを抱きしめると震えるんだな。








『いてぇよ。』




「うるせぇ。」




『なんでも力で解決しようとすんじゃねぇ。俺はお前のそういうところが嫌いだ。




なぁ・・聞いて左馬刻さん、俺も左馬刻さん・・好きだよ。




超かっこいいし、頼りになるし、憧れてる。左馬刻さんみてぇになりたいって思ってる。でも・・』





「違う、黙れ。黙れ!!!!



一郎・・お前を守りたいとか力になたいとか頼ってほしいとか今まで思ってきて



そういう存在にならなきゃいけねぇって思ってた



けど俺が間違ってた。



俺が・・俺がお前がいないと駄目なんだ!



不安で怖くて毎晩夜が来るのが怖い



真っ暗な世界に一人しかいないって考えてしまう



でもお前がいる、俺の横に、どんなときも俺の横で笑ってるお前が



どうしようもなく・・どうしようもなく好きなんだ!!



お願いだ一郎、俺の横にずっといろ!呆れるほど愛してやる!呆れたって愛してやる!



どれだけウザがられても、俺は、絶対にお前から離れない!」











息が上がって倒れそうになった。



今、俺、なんていったっけ



「ッ・・ハァ・・おい、俺の話聞いてたか?」




『うるせぇ。』




「はぁ?てめぇぶっ殺す」




『うるせぇんだよさっきから!!もうわかった!あと今昼間な?ここド街中な。』




「・・知るか馬鹿野郎」




『あと、俺のこと強く抱きしめ過ぎな』


































「・・・クソダボ野郎。お前は強く抱きしめ返しすぎだ。」





fin